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『御界/ON-KAI』 [アニメ・マンガ・小説]


御界/ON-KAI 上巻 (1) (KAREN文庫 Mシリーズ)

御界/ON-KAI 上巻 (1) (KAREN文庫 Mシリーズ)

  • 作者: 中田 雅喜
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2008/02/21
  • メディア: 文庫



御界/ON-KAI 下巻 (3) (KAREN文庫 Mシリーズ)

御界/ON-KAI 下巻 (3) (KAREN文庫 Mシリーズ)

  • 作者: 中田 雅喜
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 文庫



漫画家、中田雅喜(なかたあき)さんの処女作です。
元々電子書籍パピレスで発表され、今年の2月にKAREN文庫から上下巻で出版されました。
当初、中田先生からパピレス発表の情報を頂いたものの、最初はauでのみ対応でdocomoユーザーの私はやきもきしました。
次にパソコンのオンライン書籍になったのですが、以前のPCがかなりお古だったので(泣)、折角ダウンロードしたのに結局読むことが出来ず、一番最後のdocomo対応まで延々と待つ羽目になり、やっと読める様になったにもかかわらず、携帯なのでとても読みづらくダウンロードしたままの状態で期限は過ぎ…orz
更に、2月に書籍の形で出版されてそそくさと購入したのに、色々雑多なことが重なって中々読めない日が続き、つい先日やっと読了しました(^^;

一応KAREN文庫はBL書籍のレーベルなんです。

物語は、主人公が体感ゲーム『御界/ON-KAI』でさまざまな出会いと事件に巻き込まれ、更にそれが現実世界『汚腐界/OFF-KAI』にまで影響する、色々な思いが交錯し二転三転する複雑な内容です。
上下二巻で複雑な内容なので、ちょっと込み入ったあらすじを紹介します。


以下、ネタバレバレな内容なので、厳禁な方はスルーしてください。
一応、背景に同化させときます。(笑)
読まれる方は、隠れている文字列を全て「選択」して反転させてください。


【概要】

主人公・春野圭太は継母と義弟との関係が上手く築けず(良くしてくれるのがまた煩わしい)、東京へ単身飛び出したものの、何になるわけでもなく、何がしたいわけでもなく、ただ日々をパン屋のバイトに明け暮れ無為に過ごしていた。
そんな彼の唯一の楽しみが、体感ゲーム『御界(おんかい)』へのアクセスだった。
『御界』はゴーグルメットを被り、パソコンの前に座ってパスワードを入力すると、コンピューターが各自のパーソナリティから独自に選び出した容姿で仮想江戸時代へ一気に飛べるゲームで、そこではユーザーは色々な職業に身をやつし(圭太は『ご落胤』)様々な人(AIも含め)やイベントや事件に出会い、レベルアップしていくシステムである。
ただし、その命は普通のゲームのようにリセットは効かない。
元々『御界』の住人AI以外のユーザーは現実世界『汚腐界(おふかい)』と同じく、一ユーザーに一つの命。
『御界』で命を落すと言うことは、その世界での『死』を意味し、復活はない。
そして、体感ゲームなので、斬られれば痛いし、血も流れる。しかし、現実世界においてユーザーの体の負担になるようなことは一切ない。
ある日、圭太(『御界』名・本多春斗)は出現場所のお寺で、イベント屋で凄腕の美剣士、二階堂左馬と出会い仲良くなる。
左馬が懇意にしている南蛮寺の遊女・鈴音奴(すずねこ)とも親しくなり(二人に筆おろしもしてもらう/笑)、春斗は日々をそれまで以上に楽しんでいた。
そんな雑多な中にも平和な日常が続くと思われた中、事件は起こった。
現実世界『汚腐界』で仮想世界『御界』を巻き込んだ、実際の現金が絡む売春行為が発覚し警察が捜査に乗り出したのだ。
時を同じくして、『御界』で遊女を狙った残虐な辻斬り事件が勃発し、鈴音奴も惨殺魔の餌食となってしまった。
鈴音奴襲撃事件の時、鬼女面の男に斬られ負傷した春斗は小石川療養所へ担ぎ込まれ、そこで左顔面にひどいケロイドをもつ、身の丈六尺以上もある長身の仁竜に出会う。
彼は療養所の医者で、ここで3年もの間温泉を掘っているという。
しかし、春斗はこの仁竜こそが鬼女面の辻斬り犯じゃないかと不安を掻き立てられる。
鬼女面も仁竜もこの時代の人間にしては“背が高い”という共通点がある。
そしてなぜ、犯人はお面を被っていたのか?それは単に顔を隠す為ではなく、火傷痕の特殊な顔を見られたくない為だとしたら?
一方、惨殺魔のお面をカチ割った功績で、左馬はお先手組から火付盗賊改に昇格し、犯人の特徴である“身長六尺以上の男”を片っ端から検挙していた。
その頃、『汚腐界』では圭太の勤めるパン屋に仁竜そっくりの紳士が訪れ、圭太を驚かせる。
彼は、今は水道工事屋を営んでいるが、元々時代劇の悪役専門の俳優、「天宮仁」その人だった。
圭太は彼こそが、『御界』の仁竜だと思ったが、どうやら彼ではないらしいことが解ったと同時に、仁竜は彼のファンなのじゃないか?という思いが強くなった。
一方『御界』では、仁竜は管理会社の送り込んだ刺客のAIで彼こそが真犯人だ!と決め付ける左馬と、限りなく黒に近いのは解っていても信じたくない春斗。
実際犯人の背中に手傷を負わせた左馬が仁竜に背中を見せろと迫り、春斗と二人傷跡を確認したものの、決定的証拠がないため煙に巻かれてしまう。
なんとしても無実を証明したい春斗が取った行動は、『御界』では違法とされている他人(義弟)のパスワードを使って舟まんじゅう(遊女)に身をやつして鬼女面の男を誘き出し、仁竜の疑いを晴らそうというものだった。
しかしそれは仁竜=鬼女面を決定付ける確かな証拠となってしまい、火付盗賊改にお縄になってしまった。
それから二週間、自分の取った行動で仁竜が摑まり、拷問にかけられていると知った春斗は『御界』への入室を躊躇っていたが、左馬の上司の河野からのメールで久々に『御界』へ入室した。
そこで待っていたのは、憔悴しきった左馬と、拷問に次ぐ拷問で痛めつけられ見る影もない仁竜だった。
河野はメールで状況は相手が吐くまで拷問する左馬と、何があっても白状しない仁竜の根競べと化し、拷問しているのは左馬なのに、彼がどんどん憔悴していって見ていられない、早くこの二人の意地の張り合いを止めたいというのもだった。

現状を見た春斗は、仁竜の側に寄った時に耳打ちされ、左馬の隙をついて仁竜を袈裟懸けに斬ってしまった。
仁竜が好きなのに、自分を唯一理解してくれた人なのに、そんなかけがえのない人を自分の手で殺してしまったことに衝撃を受けてみも心もぼろぼろになって『御界』を後にした春斗。

そして、傷心が癒えぬまま、『汚腐界』で水道工事が縁で知り合った元俳優・天宮仁に声を掛けてもらった「ファンの集い」に参加した圭太は、そこでファンクラブ代表の西島俊一と出会う。
天宮によると、彼は脳の研究をしている会社を経営している人間だという。
脳の研究=体感ゲームの公式を打ち立てた圭太は彼こそが仁竜だと確信し、人がまばらになった会場で「春斗です。」と告白する。
はじめはしらばっくれていた西島だが、圭太が「管理会社に確認する。」と言って脅したため、自分が仁竜だと認めた。


 ̄ ̄ ̄ ̄以上、上巻


『汚腐界』での春斗と仁竜の交友はこうして始まった。
西島は圭太とは住む世界の違う上流階級の人間だが、脳の研究をする会社の経営者というだけあって、かなりのキレ者だった。
将来のビジョンもやりたい事もなく、しかし実家に戻って家を継ぐこともしたくなく、ただ日々を無為に過ごす(春斗曰く、世間のしがらみに囚われずのんびり“温泉春斗”を決め込む)ことを希望する圭太に、アレコレ人生設計のアドヴァイスをする西島だったが、圭太が全てに“うん”と言わないどころか、”何もしたくない”“郷里に帰る気もない”というので、ある行動に出る。
それは、自身が持つ温泉付別荘(ひなびた温泉宿で老夫婦に管理を任せている)に連れて行き、そこの跡継ぎになれというものだった。
即決を迫られ、圭太は「温泉宿の跡を継ぐ。」と言ってしまう。
その夜、深々と冷える雪山の気温に耐えかねた二人は、自然にそういう状態になってしまうが、『御界』で左馬と経験はしていても、『汚腐界』=現実には初体験の圭太は行為の最中「春斗と呼んで下さい。」と懇願する。
ここは現実世界なので空想と現実をごちゃ混ぜにする圭太に苦言を呈していたが、いつまでも自分を“仁竜先生”と呼ぶ圭太に苛立ちを覚えた西島は、それまでが嘘のように圭太を痛めつけるような行為に出る。
そして、圭太はそのただ犯すためだけの行為のなかで、はたと気が付くのだ。
「もしかしたら、自分はとてつもない過ちを犯しているのではないか?西島が仁竜先生ではないとしたら…?」と。
仁竜しか知り得ない『御界』での春斗のことを知っていたため、西島=仁竜と思い込んでしまっただけで、実は全くの人違いだったのではないか?と。
その後、西島と決別した圭太はしばらくして、『御界』へ足を踏み入れた。
流石にメールを受け取っても無しの礫で音信不通だったため、かなりショボくれていた左馬だったが、なんとか以前のように付き合えないか二人の関係を模索していた。
春斗は『汚腐界』で仁竜探しをしていて、西島俊一と出合ったこと(強姦されたことは伏せて)を左馬に話した。
そして西島の温泉付別荘で婆やさんに聞いた、西島の学生時代の親友でもう亡くなった人物、遺品のザックに唯一記されたなまえ-RYU-が実は本物の仁竜ではないかと…。

左馬は、はじめに仁竜=西島の公式を成り立たせた春斗を一笑した。
彼は西島がかなりの有名人で、それこそ寝る間もないくらい忙しい人間なのに、毎日決まった時間に『御界』に現れることは有り得ないことを知っていた。
しかし、そこで左馬は春斗が『汚腐界』であれこれ調べていることに対し、もしかしたら自分のことも調べられてるんじゃないかと不信感と怒りを露にする。
『御界』と『汚腐界』をごちゃ混ぜにする春斗が理解できず、折角仲直りしかけたにもかかわらず、また二人の距離が開きかけたその時、療養所のSMオタク小野から「仁竜が生き返った」と聞かされた二人。
さっそく温泉に行って確認しようとした二人は、声は仁竜そのものだが、姿は似ても似つかぬ茶髪っぽい髪を浪人風に結った、仁竜の従兄弟だと名乗る辰巳竜之進と出会う。
しかし、姿かたちは違えど、辰巳は紛れもなく仁竜だったのだ。
小野や左馬はすぐに見破ったのに、春斗には中々確信が持てなかったが、辰巳と二人きりで話す内に、彼こそが刺客に姿を変えた仁竜その人だとやっと気付いた。
数日後、刺客として転生した仁竜に一度は敗れた左馬だが、再度勝負しようと、南蛮寺の焼け跡に誘い出して決着をつけようとした。
が、これは誰かの策略であり、左馬はそんな果たし状は出していず、左馬もまた、春斗から恋文のようなものを受け取ってその場に来ていた。
左馬は自分が出したと言う果たし状を辰巳の手から受け取ろうとしたまさにその時、南蛮寺の焼け焦げた石段に穴が開き、辰巳はすっぽりとその穴に吸い込まれてしまった。

行方不明の仁竜が気がかりだが、実生活でも義弟が家を飛び出してきてそれどころではなかった圭太は、義弟を東京見物に連れて行った時、偶然秋葉原のイベントで西島と再会し、仁竜が地獄に居ることを聞き出した。
更に、パン屋へゲームイベント会場で知り合った女性ゲームデザイナー綾小路の息子、綾小路遊亀がやってきて母から「地獄行をする春斗」のお助け情報の入ったDC-ROMを圭太に授けた。
パン屋の定休日を待ちかねた圭太は、早速『御界』にアクセスし、南蛮寺の地獄への入り口を探そうとしていたら金髪碧眼の異人少年姿で現れた遊亀と再会する。
遊亀は春斗が心配で自分の一存でここにやってきたという。(『御界』は18禁のゲームだが、彼はさすがゲームデザイナーの息子なだけあってまだたった5歳で、既に一流のハッカー並みの腕前を有している!)
そして母から託された“印を見つけなさい”という言葉を告げ、春斗といっしょに春斗の『御界』入り口ゲートでもある了覚寺へ行き、閻魔堂に生けてある蓮の花を見つける。
地獄へ降りた春斗はどんどん地獄の奥へと進んでいった。
保々の体で無事、地獄を抜け出した左馬は仁竜に問い質した。
「AIでもなく、ユーザーでもなく、管理会社の人間でもない。仁竜、いったいお前は何者なんだ!?」と。
仁竜は自分はこの『御界』の神だと言った。そして、綾小路遊亀が「母親が仁竜は『御界』で一番大切な人。仁竜のために『御界』はあるのだと言っていた。」と補追するように言った。

翌日、圭太は一通のメールを受け取る。それは仁竜からで、今度の定休日に『御界』で待っていると。
そして、物語は確信へと迫って行くのだった…。

 ̄ ̄ ̄ ̄以上下巻



ふぇ~~~、こう書くと長いねーーーっ(苦笑)
物語がかなり複雑なんで(特に後半は怒濤のように目まぐるしい展開です!)、普通の通り一遍のあらすじでは内容把握できないんじゃないかと、大体の状況がわかるよう重要なポイントだけかいつまんではみましたが、まさかこれほどになろうとは!!!(@@;

ココまで内容を読んで頂いたら解ると思いますが、コレは決してBL作品ではありません。
要素的には若干含んではおりますが、それは物語の核心部分での人と人との関わりに於いて必然だった為であり、決して“ヤルこと”が目的の雑多なBL作品群(全てとは言いません、断じて!)と同レベルで扱って欲しくない壮大なスケールの物語です。
物語の進行上、西島と親友の過去の話が『御界』に纏わる核なんだとは察しが付きますが、上巻のはじめの方ではそれこそ左馬×春斗の物語なのかしら?と思わせるわりと軽めの内容とのギャップがスゴイです。
下巻の『汚腐界』での仁竜探しからクライマックスへかけては、上巻のようにわりとゆったりとした流れとは180度異なり、ジェットコースターのような急速な上下行でグイグイ引き込まれていきました。

途中、春斗が『汚腐界』で自分を探したのではないか?と疑惑を持った左馬の怒り心頭具合が、なぜそこまで?と思ったのですが、ラストでその理由が明かされ「ああ、それでか。」と。
人間ってどうしても自分のコンプレックスを隠したいと思う生き物だし、尚且つ、「こうありたい、こうだったらなぁ…。」という願望が強ければ強いほど、現実とのギャップで自身をどんどん卑屈にさせてしまえるところもある悲しい生き物です。
そして、自分の存在意義すらわからず現実世界に何も見出せない、スキルアップも望まず、かといってこのまま一生同じところでのバイト生活は望まない、ただ、亡羊と生きていたいだけと願う圭太の、なんと今風な若者を象徴していることか!?
悪い人ならいっそ悪態でもついて家を出ることも出来るのに、継母の気を使ってくれる様や、義弟の屈託のない態度が素直に受け入れられず、そういったことで相手を傷付けない為の彼の優しさが結果としてそう思わせるのだとしても、やはりそれは間違っている。
そしてその思いは圭太が五体満足だからこそ、言わしめることであると思います。誤解のないように言いますが、決して身体的に不自由な方こそがそれを補う為に一生懸命になっていると言っているわけではないです。
ただ、往々にして経済的にも身体的にもなに不自由のない者こそ、自由の意味をはき違えているのではないかと思います。
左馬や仁竜、西島と出会ったことで圭太の今後の人生感がどう変わるか、物語のその先の語られない部分を見守りたいと思いました。

なお、この作品は11月30日にサイバーフェイズよりドラマCDとして発売されます。
ソースはこちら↓
http://www.cyberphase.jp/nac_html/3021.html

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